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JR東海は4月、勤務地によって支給する「調整手当」について、東京以外の地域を今より5千円引き上げて2万円とする方針だ。これで東京を含めて全国一律で2万円となり、旧国鉄時代から続く地域差が解消される。
調整手当は、旧国鉄時代からの「都市手当」を引き継ぐ形で、2006年度に設けられた。22年度までは東京2万円・大阪1万円だったが、23年度に東京・大阪以外も1万円に増額。24年度には東京以外を1万5千円に引き上げた。
住宅価格や物価の違いなどが手当の金額差の根拠となっていた。だが、東京からほかの地域に転勤すると賃金が下がることから、労働組合も改善を求めてきた。
子どもへの手当も増額
同社は、単身赴任者に支給する「別居手当」も5千円増額して4万5千円にする。リニア中央新幹線の工事が本格化し、転居を余儀なくされる社員が増えることも、改善の理由としている。
このほか、配偶者への扶養手当を廃止し、子どもへの手当を1人1万円から2万円に引き上げる方針も決めた。
同社はこうした手当の見直し案をベースアップ(ベア)や一時金を扱う春闘とは別に労組側に示し、近く最大労組と合意する見通しだ。
春闘では組合側が月1万2千円のベアを求めて交渉中だ。